|
| |
事業承継について |
現在、社会の高齢化に伴い、中小企業の経営者の高齢化も進んでいます。その一方で、近年は経営者の御子息が経営を承継しない傾向にあり、経営者の確保が困難という状況が多くなっています。
後継者問題について何らの対策もせずに放置していると、いざ事業の承継という段になって相続の絡みもあってなかなか後継者が決まらない等の問題から、最悪の場合事業の継続が困難で廃業に至るというケースも出てきてしまいます。
事業承継の問題は、全ての企業で遅かれ早かれ必ず生じる問題です。であるとすれば、いざという場合に備えて早めに対策を検討されてみてはいかがでしょうか?早めの事業承継対策によりスムーズに事業承継を実現でき、引いては取引先の信頼を損なうこともなく、事業の発展に寄与します。 |
事業承継の問題点 |
事業を承継する際に問題となる代表的なものとしては以下の3つが考えられます。 ①株価が高く、結果として身内(相続人)に事業を承継させようとすると相続税が多額になり、納税資金の捻出で経営に支障をきたすということ。 ②事業主が保有していた株式を後継者(相続人)に集中させようとすると、遺産の分配割合に不平等が生じ、他の相続人から遺留分減殺請求を受けてしまう可能性があり、結果として株式が分散してしまい、会社の経営に支障をきたすということ。 ③身内の中から後継者を出せない場合、第三者への事業承継を検討することになりますが、中小企業の場合、会社代表者が会社の設備投資等の借入金の保証人となっていることが多く、全てを第三者へ承継させることは困難であるということ。
もっとも、以上のような問題は、早めに対策を講じておくことで十分回避することは可能ですし、国策上もこれらの問題をある程度解決可能とするために、平成20年に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」が制定・施行されました。 |
事業承継の方法 |
事業承継の方法としては、概ね以下の方法があります。 ①親族への承継
事業承継の典型的なパターンです。この場合には、相続の問題と事業の承継の問題が同時に問題となるため、相続税や遺留分制度との調整が不可欠になります。なお、この事業承継時における相続税や遺留分といった問題を解決し、よりスムーズに事業の承継を行えるようにした法律が前述の「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」です。
②従業員や、外部からの雇い入れた者への承継
身内の中に後継者候補がいない場合には、従業員の中の後継者に相応しい者や、外部から後継者候補として雇い入れた優秀な人材等に事業を承継させる場合もあるでしょう。しかし、この場合には、前事業主が担保を供していたり、保証人となっていた債務について、担保・保証の差替え等の問題が生じます。また、経営権を譲り受けるための資金の捻出が問題となります。
③廃業
親族や従業員への事業承継ができない場合には、廃業するという判断をされる経営者の方もおられるかもしれません。しかし、廃業はそれまで勤務していた従業員の雇用の面や、それまでの取引先との取引の打ち切りといった面で他社に重大な影響を与えるとともに、資産売却や税務面でのデメリットがあります。
④M&A(合併・会社分割・営業譲渡等)
後継者が不在である一方、会社の組織は存続させ従業員の雇用は確保したいといった経営者の方のニーズと、既存の事業をさらに拡大し、事業の多角化や新分野への進出を図りたいといった他の企業のニーズのマッチングにより、会社の企業価値をより高めるような形で発展させていくことが可能です。 |
「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」について |
平成20年に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」が施行されました。主な内容は以下のとおりです。
①事業承継税制の変更
相続した株式のうち、発行済株式総数の3分の2に達するまでの評価額の80%について納税が猶予されます。さらに、一定の場合に猶予納税額が免除されます。
②生前贈与株式等に関する民法の特例
生前贈与株式について、遺留分権利者との合意により先代経営者から後継者へ生前贈与された自社株式その他一定の財産について、遺留分算定の基礎財産から除外されます。
生前贈与株式の価額を贈与合意時の評価額で固定され、その後の株式価値上昇分は遺留分の対象外となるので、経営意欲の増進が期待できます。
③相続により分散した株式の買取り資金や相続税納税資金等について、経済産業大臣の認定を条件に、日本政策金融公庫による低金利融資の実施
→詳しくは、中小企業庁をご参照ください。 |
| |
|
|
|
|
| |
 |
|