山口達夫のブログ

最新情報

第8回法律相談会を終えて

法律相談会 結果報告

1.第8回目の無料法律相談会も多数の相談者がありました。
2.『思い切って今回相談に来て良かった。』との声を多数いただきました。
3.他に『司法書士の相談は初めてでしたが、恐い感じがなくて、しっかり聞いてもらえて安心できた。』といった声が多くありました。
4.一般の方々からすると法律家は敷居が高いようです。相談者は、
『こんな小さな問題を相談しても相手にされないのではないか・・。』、
『多重債務者となっていることで、怒られたりしないか。』、
『相談費用が高そうで心配』など、不安や心配が錯綜しているようです。
些細な心配事でも何とか力になれないか、という思いから始めた毎月1回の無料法律相談会です。どうぞ、思い切って事務所をお訪ねください。

ご参考までに、相談内容の擬似創作例を挙げます。
◆通信機器についての契約を解約したいが、違約金の定めが高額過ぎるのでは。
◆自宅土地の一部について、不法占有だから地代を支払え、と突然他人から主張された。時効取得が完成していると思うが、どう対応すべきか。
◆劣化した乾電池の液漏れが原因で化学火傷をした。製造物責任を問えないか。
◆音信不通で行方知れずの弟がいる。亡母の遺産分割協議はできるのか。
◆精神障害者の兄がいる。亡父の遺産分割協議をどうすればよいか
◆現在数百万の債務があるが、破産、民事再生又は任意整理の選択について。
◆遺産分割調停の申立書を作成してもらえるか。
◆自己破産の手続の流れ、費用、申立をすべき地方裁判所等について知りたい。
・・等々

新しい法律制度(10)高齢者虐待防止法

高齢者虐待防止法

平成18年4月「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」が施行された。

この法律ができた背景には、全国規模の調査結果がある。

高齢者に対する人権侵害は、閉ざされた環境の中で発生するために発見が遅れ勝ちになり、深刻な人権侵害を招かないためには、侵害の初期に発見する体制作りが必要不可欠であることが明らかになったのである。

虐待という言葉の響きは何か特別な邪悪な行為を連想させるが、この法律の定義では、普通にごく日常的に起こりうる人権侵害行為を虐待として定義している。

暴言・威圧・侮辱・脅迫などの心理的虐待、暴力行為などの身体的虐待、高齢者の財産の不当処分や不当受益などの経済的虐待、高齢者に食事を減らし衰弱させることや養護を故意に怠る虐待(ネグレクト)及び性的虐待がこの法律における虐待である。

この法律は、国・都道府県・市町村に対して、高齢者の権利を擁護するための施策について義務を課し、福祉に関わる職に就く者にも、高齢者虐待の早期発見やその防止への協力を要請している。

司法書士もその役割を担う専門家の一員であり、高齢者虐待防止を実現するために、種々の研修を行い始めているが、家族や介護職員などの介護疲れ等の実態を知るにつけ、この問題の深刻さを痛感している。

司法書士 山口達夫

リニューアル

ブログリニューアルしました。

新しい法律制度(9)

バリアフリー新法

最近はどこの駅でもエスカレーターが設置されて、高齢者だけでなく、若者にもたいへん便利になっている。

平成18年12月に施行された、いわゆるバリアフリー新法(高齢者・障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)によって、それまでの、ハートビル法と交通バリア法が統合・拡充された。

高齢者・妊婦・乳幼児連れ・病人・障害者等に限らず,全ての人が安心して快適に外出できるために、道路・公園・公共交通機関・建築物・信号機等のバリアフリー化を推進するための法律である。

その結果、道路行政をみても視覚障害者誘導用点字ブロック設置や幅広い歩道、歩道の段差解消など、目に見えて改善が進み始めている。

2025年には65歳以上の人口が全人口の25%を超える超高齢社会となる日本の現状を考える時、このような環境整備は益々強力に推進する必要があ る。近年は、健常者でない人が特別なのではなく、障害の可能性は誰もにあり、誰もが高齢化することから、これらの人々の存在が社会にとって当たり前である との認識が進んできた。この考え方を基礎にしているのがノーマライゼーションである。

また、特に高齢者や障害者等が使い易い設備を、その特性に合わせて個々的に対応することは、膨大な予算を要するだけでなく差別意識にもつながる。

そこで、健常者も含めて誰でもが使い易いような工夫を施す、ユニバーサルデザインが要請される時代になってきたようだ。

司法書士 山口達夫

第2回無料法律相談会を終えて

去る8月29日に当事務所として2回目の無料法律相談会を開催しました。

事務所ウェブサイトでの告知のみであったにもかかわらず、アクセスしていただきご参加いただいた方につきましては、ありがとうございました。

「法律トラブルに巻き込まれ法律家に相談してみたいけれど、実際に法律家へ相談するのはちょっと怖そうだし敷居が高い」、「借金問題で相談すると、 自業自得だと怒られるんじゃないか」などという声も聞かれます。そこで、法律家へのアクセスのしやすさを向上させ、当事務所の法律的知識・経験が少しでも 皆様に還元できればという気持ちからスタートさせたのが、この無料法律相談会です。もっとも、ここ最近の忙しさにかまけて、昨年末開催の第1回の相談会か ら大分間隔が空いてしまいました。

しかし、今回2回目を開催し、「心の負担が軽くなりました」といった参加された方の声を聞きますと、やはり、もっともっと市民の司法アクセスを高 め、権利の擁護、紛争の予防に努める必要があると痛感した次第です。特に、争いとなる前にその芽を摘む紛争予防型の法務は司法書士の得意とするところで す。今後はもう少し頻度を上げて開催していく予定ですので、その際には、是非ご利用されてみてはいかがでしょうか?

※ご参考までに、以下に、これまでの法律相談会で相談を受けた内容の一部を列挙します。
・不動産に関する相談(登記の名義の問題、賃貸問題等)
・多重債務に関する問題(任意整理・過払い請求・自己破産等)
・相続に関する相談(遺産分割の方法、被相続人が多額の負債を残していた場合等)
・離婚に伴う財産分与と登記、税金の問題(税金問題は税理士アドバイスを求めます。)
・労働問題(信頼できる弁護士を紹介致しました。)
等々

新しい法律制度(8)

消費者保護法

消費者保護法制が整いつつあり、契約の解除等の交渉が可能な時代になり始めた。2つの例で説明をしたい。

①田舎に一人暮らしをしている母を訪ねてみると、大型テレビが置いてあった。
母に聞くと、訪問販売業者がしつこくて断り切れずにクレジットで購入してしまったようだ。

②防水工事をしている家族経営の小会社が、訪問販売業者からFAXと内外線の電話設備を勧誘され、大手リース会社とリース契約を行い設備を導入した。
ところが、この設備が会社の規模に不相当な高品質であったために、業務で使うことはなく、騙されたとの思で一杯であった。

以上のような2つの事例でも、平成21年6月に改正された特定商取引法によって保護される可能性が生まれた。
特定商取引とは、訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売による取引、エステや英会話などの継続的な取引等をいう。

①の事例は、「高齢者」に対する「訪問販売」による「クレジット取引」の被害の典型である。
クーリングオフができる場合が広くなったこと、一度断れば再勧誘が禁止されたこと等によって、契約解除と返品の可能性が高くなった事例である。

②の事例は、会社や事業者であっても、特定商取引法が全く適用されないのではなく、個人と同視できる場合には、適用を認めるべきであることが、通達 で確認され、しかも、販売業者との直接の売買契約でなく、リース契約という所有権が消費者に移転していない場合にも保護される可能性と交渉の余地が生まれ た事例といえる。

どうも納得ができない、騙されているのではないか、と思った場合には、消費者生活相談センターや法テラスあるいは司法書士・弁護士に相談することを勧めます。

司法書士山口達夫

新しい法律制度(7)

一般社団・財団法

人間以外でも、権利を得、義務を負うことができるものとして、法人組織があります。営利を目的とするものは、会社法によって株式会社等が設立できます。会社は、法律に定まった要件さえ満たせば自由に設立できます。これを、準則主義といいます。

営利を目的としない公益団体には、人の集団である社団法人と、財産を主体にしてこれを運用する財団法人があります。今までは、この社団法人と財団法人は民法法人といって主務官庁の許可が無ければ設立ができませんでした。

ところが、長い間にこの許可設立の弊害が目に余る状況になってきました。官僚が天下りするために、非常に多くの公益社団や公益財団を設立して、適当 な公益目的を唱えて、そこに官僚OBが天下りを行っていて、しかも公益であるからと、そこへ、国家予算を無駄にたれ流していたのです。

そこで、小泉内閣の最後の年である平成十八年五月二六日に、行政改革の一環として、官僚の関与をできるだけ押さえ「民間が担う公益」を推進するために、この法律を制定しました。

これによって社団法人と財団法人を準則主義によって、誰でも簡単に設立できるようになりました。

しかも、設立後に公益性の有無を認定するのは、監督官庁の手から離し、別の組織である公益認定委員会としました。そして、この公益認定が得られない場合でも、法人は存続し活動を継続することができます。

この法律の成立後も公益目的のNPO法人は存続しますが、共益目的の有限責任中間法人は一般社団法人に変更となりました。

財産のある方は、是非「民間が担う公益」推進のために、社団・財団を設立されん事を願う次第です。

司法書士 山口達夫

新しい法律制度(6)

映画盗撮防止法

立川に事務所を移転して慌ただしかった1年余りが過ぎて、最近は、時々立川シネマシティで流行りの映画を鑑賞している。当初驚いたことは、映画が始まる前に、黒いカメラでいかにも挙動不審の盗撮動作を表現した画面が必ず現れれることであった。

これは、平成20年8月30日に映画盗撮防止法が施行された結果、導入されたのではないかと思っている。

この法律により、新作映画が封切られてから、8ヶ月間に限り、私的使用目的であっても、盗撮を、懲役10年以下罰金1千万円以下を課す違法行為と位置づけた。私的使用を認めている著作権法の特例法である。

前述の画面は、観客に対し、盗撮を発見したら通報してもらうことを求めている。

この法律の目的は、海賊版による年間180億円とも言われる損害を防止し、映画産業の健全な発展に寄与することにある。高度な撮影技術とデジタル複 製技術の結合により、本物と間違えるほどの品質の海賊版が、甚だしくは、公開翌日には売られている現状は、これ以上、放置できないとのことである。

同様の法律がアメリカにはあると聞くが、中国にも求めたいと願うのは私だけであろうか。

司法書士 山口達夫

新しい法制度(5)


事業承継円滑化法

株式が公開されていない中小零細企業では事業主が死亡すると、相続税の支払いや遺産分割によって、事業が継続できなくなる場合があります。

このような場合、そこで働く従業員にとっては、就労の機会が奪われる結果となり、雇用の確保と技術や文化の承継面からも国家社会に損失を与えることになりかねません。

かといって、事業主が土地等の資産評価で計算される株式を事業承継者に生前贈与すれば、多額な贈与税又は相続時の清算課税が生じます。また他の相続人から遺留分を請求されることもあります。

これらの課題を解決するためには、税制と民法の遺留分規定の改正と、従業員が承継する場合には承継資金の融資制度が必要です。

そこで、昨年事業承継円滑化法が制定され平成20年10月に施行されました。

株式を相続人の承継者に贈与する場合、遺留分計算からこれを除外し、相続税も80%を減額します。

低利融資は日本政策金融公庫が当ります。 しかし、この制度は中小零細の事業を継続させ、雇用を確保することが目的ですので、適用には厳格な要件が定められています。

まず、財産管理会社や財産運用会社は除外されます。従業員は、80%以上の継続雇用が義務付けられます。承継後の事業継続も最低5年が必要で、その後も株式を売却すると遡って80%の減税措置が否定されます。

また、事前に法定相続人間での合意や、経済産業大臣の確認が必要です。相続発生時には事業承継の認定を受なければなりません。

事業経営者にとって相続問題は重要です。元気な内に司法書士や税理士に相談しておくことが必要です。

司法書士 山口達夫

新しい法律制度(4)

「振込め詐欺救済法」

最近東京司法書士会から犯罪口座として凍結された銀行名と口座番号の一覧表が送られてきました。A4で表裏3枚以上にわたり細かい字で、ビッシリと並んだ表を見る時、その数の膨大さに圧倒され、被害の深刻さを実感させられました。

振込め詐欺とは、オレオレ詐欺・架空請求詐欺・融資保証金詐欺・還付金詐欺の総称ですが、平成20年6月にこれら詐欺の被害者に対する被害回復のた めの法律が施行されました。正しくは、「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」といいます。

被害にあわれた方はまず警察に連絡して下さい。警察はこれが事実であれば、銀行・信用金庫・農協等の振込先の金融機関に連絡をします。銀行等はこの連絡等の情報により犯罪口座であると疑う場合は口座を凍結し、口座名義人が勝手に引出したり、解約することをできなくします。

この凍結口座は預金保険機構のホームページ上で公開されることになっています。

そして騙された人は振込先の銀行等に申出をすることで、分配金を受けとることができるようになりました。

因みに、預金保険機構とは銀行が倒産した時に一千万円まで保証し預金者の保護をするところです。

いづれにせよ油断大敵の時代です。お互い気をつけましょう。

司法書士 山口達夫