新しい法制度(5)

新しい法制度(5)


事業承継円滑化法

株式が公開されていない中小零細企業では事業主が死亡すると、相続税の支払いや遺産分割によって、事業が継続できなくなる場合があります。

このような場合、そこで働く従業員にとっては、就労の機会が奪われる結果となり、雇用の確保と技術や文化の承継面からも国家社会に損失を与えることになりかねません。

かといって、事業主が土地等の資産評価で計算される株式を事業承継者に生前贈与すれば、多額な贈与税又は相続時の清算課税が生じます。また他の相続人から遺留分を請求されることもあります。

これらの課題を解決するためには、税制と民法の遺留分規定の改正と、従業員が承継する場合には承継資金の融資制度が必要です。

そこで、昨年事業承継円滑化法が制定され平成20年10月に施行されました。

株式を相続人の承継者に贈与する場合、遺留分計算からこれを除外し、相続税も80%を減額します。

低利融資は日本政策金融公庫が当ります。 しかし、この制度は中小零細の事業を継続させ、雇用を確保することが目的ですので、適用には厳格な要件が定められています。

まず、財産管理会社や財産運用会社は除外されます。従業員は、80%以上の継続雇用が義務付けられます。承継後の事業継続も最低5年が必要で、その後も株式を売却すると遡って80%の減税措置が否定されます。

また、事前に法定相続人間での合意や、経済産業大臣の確認が必要です。相続発生時には事業承継の認定を受なければなりません。

事業経営者にとって相続問題は重要です。元気な内に司法書士や税理士に相談しておくことが必要です。

司法書士 山口達夫

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