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Q&A

Q1 相続登記に申請期限はありますか?
 
Q2 遺産分割時には明らかになっていなかった相続財産が発見された場合でも、前の遺産分割協議は有効ですか?
 
Q3 相続人全員が参加しなくても遺産分割はできますか? 
 
Q4 成立した遺産分割協議を取消したり、解除したすることはできますか?
 
Q5 不動さんを相続により取得した場合、不動産取得税はかかりますか?
 
Q6 遺産の再分割は相続としての扱いですか?それとも贈与としての扱いですか?
 
Q7 父が借金を残して亡くなり、相続人は兄と次男の私だけですが、遺産分割協議で父のプラスの財産・マイナスの財産の一切を兄に譲りました。この場合、私も債権者に対して父の借金を負担する義務はありますか?
 
Q8 死亡した父親(被相続人)の名義の不動産を、相続人である自分ではなく、自分の息子(被相続人の孫に当たる)の名義にすることはできますか?
 
Q9 被相続人の登記簿に記載された住所と死亡時の住所が異なる場合でも、相続登記手続きはできますか?
 
Q10 相続人がどのような割合で遺産を相続するのかは民法に規定があるそうですが、民法に定められた法定相続割合とは異なる相続割合の決め方を、生前にすることは可能でしょうか?
 
Q11 相続人全員で遺産分割の協議をしようとしたところ遺言があることがわかりました。しかし、相続人は皆、遺言の内容とは異なる遺産の分割を望んでいます。遺言の内容と異なる遺産分割をすることはできますか?
 
Q12 遺産分割協議成立後に遺言が見つかった。この場合、遺産分割協議は無効ですか?
 
Q13 夫が死亡したのですが、相続人の一人である次男が外国に住んでいます。遺産分割協議による相続登記で、夫名義の土地と建物を日本に住む長男の名義にしたいのですが、どうしたらよいでしょうか?
 
Q14 上記Q13の事例とは逆に、夫名義の土地・建物の名義を外国に住んでいる次男の名義にする場合にはどうしたらよいのでしょうか?
 
Q15 遺産分割協議を行いたいのですが、相続人の一人である弟とはもう何年も音信不通で、住所も連絡先も全くわかりません。行方不明の弟を遺産分割協議に参加させることはできないので、弟を除いた他の相続人だけで遺産分割協議を行うことはできませんか?
 
Q16 夫が亡くなり、相続人は妻である私と小学生の子ども2人です。相続で夫名義の自宅を私の名義に変更したいのですが、私と子どもだけで遺産分割協議ができますか?
 
Q17 父が亡くなり、相続人は、認知症を発症している母と子ども2人です。母と子どもの3人でこのまま遺産分割できますか?
 
Q18 夫が亡くなったのですが、養子に出した子どもも夫の相続人になれるのでしょうか?
 
Q19 前夫との間にできた子ども(甲男)を連れて(連れ子)再婚し、その再婚相手との間に子ども(乙男)がいます。先日、再婚した夫が亡くなったのですが、この場合、甲男は相続人になれないのですか?
 
Q20 子どもがお腹にいるときに、父親が死亡してしまいました。お腹にいる子ども(胎児)は父親の遺産を相続できますか?
 
Q21 パートナーとは長年にわたり夫婦同然の暮らしをしていましたが、婚姻届は提出していない、いわゆる内縁関係でした。先日、パートナーが亡くなりましたが、内縁の妻であっても相続人となれますか?
 
Q22 下図のように、子どもが長男、次男、長女の3人いたのですが、長男(既婚で子どもが2人います。)は既に死亡しています。そして、先日、夫が3000万円の遺産を残して亡くなったのですが、この場合の相続人と、それぞれの相続分はどうなるのでしょうか?
 
Q23 上記Q22のケース「夫」が死亡した時点で、「長男」及び「孫1」も既に死亡していた場合(「孫1」には子ども「ひ孫1」、「ひ孫2」がいるものとします。)には、相続関係はどうなるのでしょうか?
 
Q24 夫が3000万円の借金を残して亡くなりましたが、受取人を妻である私とした2000万円の生命保険に入っていました。2000万円の生命保険金を受取っても、3000万円の借金を相続すると不足分の1000万円について弁済するだけの資力はありません。そこで、相続放棄をしたいのですが、生命保険金を受取ると相続放棄できなくなるのですか?
 
Q25 父が、長男の私を受取人とする生命保険に入っていたため、父が死亡して生命保険を受取ったのですが、父の預金を遺産分割する際に、次男から「兄貴は既に生命保険を受取っているのだから、それは特別受益にあたり、預金については兄貴の相続分を減らす」と言われました。生命保険金は特別受益にあたり、遺産分割の際のそれを加えて遺産を計算しなければならないのでしょうか?
 
Q26 亡くなった夫が遺言書を残していましたが、その内容は、相続人でもない第三者へ遺産の全てを遺贈するというものでした。相続人は妻である私と子ども1人ですが、この場合、私たちはこの遺言の内容どおり、一切相続できないのでしょうか?
 
Q1 相続登記に申請期限はありますか?

被相続人が死亡して相続が開始した後、相続税の申告が必要な場合には10ヶ月以内に申告を行わなければなりませんが、相続登記については、そのような期限はありません。

ただ、相続登記をしないことには相続人はその不動産の所有権を主張することはできませんし、もちろんその不動産を売却したり、金融機関からその不動産を担保として融資を受けることもできません。

また、相続登記をしないままの状態でさらに相続人が亡くなってしまうと、新たな相続が発生し相続人の数が増えてしまうことにより、遺産分割の協議が困難になってしまいます。さらに、相続人のうちの一人が高齢による認知症を発症するようなことになると遺産分割協議をスムーズに行えなくなり、登記手続きが大変になってしまいます(Q17参照)。

このように、手続きが遅くなればなるほど面倒な問題が増えてきますので、相続登記はなるべく早く済ませることをお勧めします

Q2 遺産分割時には明らかになっていなかった相続財産が発見された場合でも、前の遺産分割協議は有効ですか?

A2:有効です。
遺産分割は遺産の一部についてなされたものも有効です。
よって、遺産分割後に、協議時には対象としていなかった遺産が発見されたときでも、その時点で、新たに発見された遺産について分割の協議をすれば足り、前の遺産分割協議が無効となるわけではありません。

Q3 相続人全員が参加しなくても遺産分割はできますか? 

A3:できません。
協議は相続人全員の合意があって成立します。相続人の中の特定の人を無視して協議し、遺産分割協議書に一部の相続人の署名・押印がないような場合には、その遺産分割は無効です。

要するに、相続人全員が各自の実印を遺産分割協議書に押印することにより、遺産分割協議の内容の真正さを担保するわけです。

なお、遺産分割協議は相続人全員が一堂に会して協議するのが通常ですが、相続人が遠方に住んでいる等集まること困難な場合には、遺産分割協議書を相続人間で回覧し、それぞれ署名・押印してもらうという方法などでもかまいません。 

Q4 成立した遺産分割協議を取消したり、解除したすることはできますか?

A4:場合によってはできます。
遺産分割協議の当事者の意思表示に瑕疵がある場合(簡単に言えば、勘違いしていた場合や、だまされていた場合等です。)は、錯誤による無効、詐欺、強迫による取消を主張することができます。

また、遺産分割協議の中で、ある相続人が一定の法律上の義務の履行を負担すると定めることができますが、その者がその義務を履行しなかった場合でも(例えば、父親が死亡し、相続人が母親、長男、次男の3人の場合で、父親名義の土地建物を、金銭債務負担付きで長男1人に取得させる分割協議が成立したが、その長男が約束どおりに債務を払ってくれないので、遺産分割協議を解除して白紙に戻したい・・というような場合。)、他の相続人は、履行遅滞による解除権によってその遺産分割協議を解除することはできないとされています。

もっとも、遺産分割協議の全部又は一部を全員の合意により解除し、再度分割協議をすることは出来ます(上記の例で言えば、母親、長男、次男の全員の合意があれば前の遺産分割協議を解除できます。)。不動産登記においても、遺産分割協議書を添付してなされた相続登記を、錯誤を原因として抹消し、新たな遺産分割協議書を添付して再度の相続登記を申請することができます。

Q5 不動さんを相続により取得した場合、不動産取得税はかかりますか?

A5:かかりません。
相続による不動産の取得は非課税となるため、不動産取得税はかかりません。
ただし、相続登記をするための登録免許税はかかります。

Q6 遺産の再分割は相続としての扱いですか?それとも贈与としての扱いですか?

A6:贈与としての扱いとなります。
上記の例で、遺産分割により長男を相続人として登記した不動産について、錯誤により相続登記を抹消した後、新たな遺産分割協議書を添付して次男を相続人とする相続登記をする場合、贈与とみなされ、贈与税が課されます。

つまり、不動産登記上は、上記のような遺産の再分割による登記は、相続登記の扱いになりますが、税法上は従前の遺産分割協議により相続財産が確定した後の資産の移転(贈与としての扱い)として、贈与税の課税対象となります。

Q7 父が借金を残して亡くなり、相続人は兄と次男の私だけですが、遺産分割協議で父のプラスの財産・マイナスの財産の一切を兄に譲りました。この場合、私も債権者に対して父の借金を負担する義務はありますか?

A7:あります。
遺産分割協議で、一切の債務(借金)をある相続人が負担すると定めても、その定めは相続人間の内部関係にすぎず、「自分は遺産分割協議によって、債務は負担しないことに決まったから、債務の弁済義務を負わない」と債権者に対抗することはできません。
債務の額を、相続人の数で頭割りした金額については、債権者からの請求を拒めません。

もっとも、この場合、遺産分割協議で債務を負担すると定めた相続人に、弁済した額を求償できます。
もし、被相続人の財産状況がプラスの財産よりもマイナスの財産の方が大きい、債務超過の状態であれば、相続放棄をして一切の債務から免れるという方法もあります。

Q8 死亡した父親(被相続人)の名義の不動産を、相続人である自分ではなく、自分の息子(被相続人の孫に当たる)の名義にすることはできますか?

A8:相続登記としては、息子さんの名義に変更することはできません。

どうしても息子さんへと名義を移したいのであれば、まず、相続人の名義に相続登記により名義を変更し、次に、息子さんへ贈与等を原因とする所有権移転登記をすることになります。
しかし、この場合には、相続登記ではありませんので、別途不動産取得税や贈与税等の税負担がかかる場合があります。

Q9 被相続人の登記簿に記載された住所と死亡時の住所が異なる場合でも、相続登記手続きはできますか?

A9:できます。
相続手続の際、被相続人名義の不動産の登記簿上の住所と死亡時の住所が異なっている場合がよくあります。この場合であっても相続登記は基本的には問題なくできます。

登記簿上の住所と死亡時の住所が異なっている場合、被相続人の同一性の問題が生じます。つまり、氏名は同じであっても、住所が違う以上、被相続人と登記簿上の人物は別の人物ではないのかという疑義が生じるのです。

そこで、相続登記の申請時には、戸籍の附票(戸籍に記載されている人が住所の変更を行った際、戸籍の附票に新たな住所が記載され、結果としてその人の住所の変更履歴が記載されるものをいいます。)を添付することで、被相続人と登記簿上所有者が同一人物であることを、住所から確認します。

しかし、その附票が保存期間を経過してしまっているような場合には、戸籍の附票で被相続人と登記簿上所有者の同一性を確認できません。

このような場合には、不在住・不在籍証明書を添付すれば、法務局で登記を実行してもらえます。例えば、被相続人・甲野太郎さんの登記簿上の住所がA市B町1丁目1番1号、死亡時の住所がX市Y町2丁目2番2号だったとすると、本来であれば、戸籍の附票にA市からX市へ移転した事実が記載されているので、被相続人・甲野太郎さんと登記簿上の甲野太郎さんが同一人物だと確認できるわけです。そして、戸籍の附票がない場合には、登記簿上のA市B町1丁目1番1号における不在住・不在籍証明書によって、現在A市B町1丁目1番1号に甲野太郎さんの住所・本籍地がないことを証明します。

もっとも、不在住・不在籍証明書によって甲野太郎さんのA市からX市への住所移転のつながりが証明されるわけではなく、「被相続人の甲野太郎さんは死亡時にX市に住んでいたとして相続登記申請したが、不在住・不在籍証明書によって登記簿上のA市には甲野太郎さんの住所がないことが証明されたので、その点では人物の同一性につき矛盾がない(もし、A市に現在の住所があるならば、X市に住所のある被相続人として登記申請された甲野太郎さんて一体誰なの?ということになってしまいます。)。」という程度の消極的な証明となります。

Q10 相続人がどのような割合で遺産を相続するのかは民法に規定があるそうですが、民法に定められた法定相続割合とは異なる相続割合の決め方を、生前にすることは可能でしょうか?

A10:可能です。
死後自分の財産を、誰に、どういう割合で相続させるかを生前に決定するのが遺言です。
つまり、生前に遺言を作成しておけば、死後、法定相続割合に制限されることなく、自由に自分の財産を処分できます。民法の定める相続割合は、遺言がない場合の補充的なものなのです。ただし、遺言を作成する際には、遺留分を侵害しないように注意する必要があります。

※遺留分とは兄弟姉妹を除く法定相続人(配偶者・子・直系尊属)に最低限残しておかなければならない相続財産の割合をいいます。
→詳しくは、「遺言」をご参照下さい。

Q11 相続人全員で遺産分割の協議をしようとしたところ遺言があることがわかりました。しかし、相続人は皆、遺言の内容とは異なる遺産の分割を望んでいます。遺言の内容と異なる遺産分割をすることはできますか?

A11:
・遺言執行者がいない場合
相続人全員の合意があれば遺言とは違う遺産分割をすることができます。

・遺言執行者がいる場合
遺言執行者は遺言の内容を確実に実現するために選任されていますので、いくら相続人全員の同意があるからと言って、遺言執行者を無視して遺言とは異なる内容の相続手続きをすすめることはできません。遺言執行者の同意があれば、遺言と異なる内容の遺産分割もできるとされています。

Q12 遺産分割協議成立後に遺言が見つかった。この場合、遺産分割協議は無効ですか?

A12:原則無効となります。
遺言があることを知らないで遺産分割をしてしまった場合、遺言の内容とはことなる遺産分割協議は原則無効ということになります。

しかし、相続人全員が、その遺言の内容に縛られることなく遺産分割するという合意をすればその合意が優先されます。この場合には、遺産分割協議は有効となります。

Q13 夫が死亡したのですが、相続人の一人である次男が外国に住んでいます。遺産分割協議による相続登記で、夫名義の土地と建物を日本に住む長男の名義にしたいのですが、どうしたらよいでしょうか?

A13:相続登記申請のため法務局へ提出する遺産分割協議書には、通常印鑑証明書を添付します。

しかし、外国在住の方の場合、印鑑証明書が発行されないため、代わりにその外国にある日本領事館へ出向いて、相続人ご本人が署名した旨の証明(サイン証明)を取得する必要があります。

Q14 上記Q13の事例とは逆に、夫名義の土地・建物の名義を外国に住んでいる次男の名義にする場合にはどうしたらよいのでしょうか?

A14:遺産分割協議書に次男の方の署名してもらい、それにサイン証明を添付するのは、上記の事例と同様です。

そして、本事例の場合には、ご次男が登記の名義人となられるので、本来であればご次男の住民票が登記申請の添付書類として必要となりますが、ご次男が外国に在住のため住民票が発行されません。

そこで、土地や建物といった不動産を取得される方が海外在住の場合、住民票の代わりに在留証明書を取得しなければなりません。この在留証明書もその外国にある日本領事館で取得できます。

※以上のように、相続人の方のうち、お一人でも海外在住の方がいる場合、必要書類が異なってきますので注意が必要です。

Q15 遺産分割協議を行いたいのですが、相続人の一人である弟とはもう何年も音信不通で、住所も連絡先も全くわかりません。行方不明の弟を遺産分割協議に参加させることはできないので、弟を除いた他の相続人だけで遺産分割協議を行うことはできませんか?

A15:できません。
Q3の回答にもあるように、遺産分割協議は全ての相続人がその協議内容に合意していることが必要となりますので、例え、相続人の一人が行方不明だとしても、その相続人を除いた遺産分割協議は無効です。
 
では、この場合どのようにして遺産分割協議を行えばよいのでしょうか?
場合を分けてご説明します。相続人と音信不通である場合とは以下の3つが考えられます。
   ① 連絡先が分からず連絡が取れない場合、
   ② 生きているはずだが調べても住所がなく居所がつかめない場合、
   ③ ②の状態が7年以上続き生死すら不明な場合。

①の場合には、まず行方不明者の住所を特定します。これは、行方不明者の現在の本籍地を調べ(行方不明者の親の戸籍を古いものまで遡って調べること等によって現在の本籍地を特定します。)、本籍地の市区町村で発行している戸籍の附票で行方不明者の現在の住所を確認できます。

行方不明者の現在の住所が特定できたら、手紙を書く、直接住所地を訪ねる等して連絡を取り、遺産分割の交渉を進めます。

このような方法でも、住所や居所が分からず連絡が取れない場合や、戸籍の附票から現在の住所が判明しない場合には、②へ進みます。

②の場合には、家庭裁判所に不在者財産管理人選任の申立てをします。家庭裁判所の許可を得て、この不在者財産管理人が行方不明者の代わりに遺産分割協議に参加することで、遺産を分割できます。

③の場合には、家庭裁判所に失踪宣告を申し立て、行方不明者を行方不明になった時から7年後に亡くなったものとみなしてもらうこともできます(普通失踪)。この場合、行方不明者に子どもがいればその子どもが相続人となり、今回の遺産分割協議に参加しなければ、遺産を分割できません(代襲相続)。このほか船舶事故や震災等に遭い、その後1年以上生きているかどうかがわからない場合、上記と同様に失踪宣告の申し立てができます(特別失踪)。

Q16 夫が亡くなり、相続人は妻である私と小学生の子ども2人です。相続で夫名義の自宅を私の名義に変更したいのですが、私と子どもだけで遺産分割協議ができますか?

A16:できません。
未成年者は単独では有効に法律行為をすることができません。遺産分割協議等の法律行為を行うためには法定代理人が必要になります。この法定代理人には通常は親等の親権者がなります。

しかし遺産分割協議においてその親権者も相続人である未成年の子も相続人であれば、親等の親権者は法定代理人になれません。なぜなら、遺産分割協議は相続人の間で遺産をいかに分け合うかというものである以上、親・子の相続人としての立場は、法律的にはお互いの利益が対立するものだからです。

そのために親等の親権者であってその子も相続人であれば、未成年である子のために特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません。子が二人以上いるのであればそれぞれについて別の特別代理人を選任します。特別代理人には、叔父叔母などの相続人でない親族が選任されたり、また弁護士が選任されることがあります。

そして未成年の子がいるにもかかわらず特別代理人の選任を行わないままなされた遺産分割の協議は無効です。

そして、今回のケースでいえば、妻と未成年者の代わりの2人の特別代理人の間で、遺産である自宅を妻名義にするという遺産分割協議を行います。以降は通常の相続登記手続きと同じです。

Q17 父が亡くなり、相続人は、認知症を発症している母と子ども2人です。母と子どもの3人でこのまま遺産分割できますか?

A17:原則としてできません。
例えば、自分の年齢が分らない、家族の名前がわからないといった状態が常時続くというような、「精神上の障害により事理を弁論する能力を欠く常況」といえるときには、行為の結果を弁識するに足る精神能力があるとは考えられませんので、その相続人をそのまま遺産分割協議に参加させても、後に意思無能力を理由に無効とされるおそれがあり、完全には有効な遺産分割になりません。

そこで、この場合には、認知症のレベルにもよりますが、通常、成年後見制度を通して認知症の方の権利を守る成年後見人を家庭裁判所へ申立て、選任することから始まります。そして、選任された成年後見人が認知症の方(成年被後見人)に代わって遺産分割協議に参加します。成年後見人には、配偶者や子ども等の親族が就任する場合の他、弁護士・司法書士等の法律家が就任することがあります。

そして、今回のケースでいえば、認知症の母(成年被後見人)の代わりの成年後見人と子ども2人の間で、遺産分割協議を行います。以降は通常の相続登記手続きと同じです。

もし、成年後見人に、相続人である子どもが選任されていた場合には、成年被後見人・成年後見人が共に相続人であり互いの利益が相反する関係になるので、家庭裁判所で成年後見人につき特別代理人を選任し、成年後見人の代わって特別代理人が遺産分割協議に参加する必要があります。

また、成年被後見人が住居として使用していた不動産を子ども名義にする(居住用不動産の処分)という遺産分割をする場合には、別途、裁判所の許可が必要となります。
→詳しくは「成年後見」をご参照下さい。

Q18 夫が亡くなったのですが、養子に出した子どもも夫の相続人になれるのでしょうか?

A18:養子縁組の方法が、普通養子縁組が特別養子縁組かで結論が異なります。

①普通養子縁組の場合:普通養子縁組(いわゆる一般的な養子縁組)の場合、養親と養子の間に新たな親子関係が生じますが、実親との親子関係もそのまま存続し続けます。すなわち養子に出した子どもも、実親死亡時にはその相続人となります。

よって、今回のケースでも養子に出した子どもも相続人となります。
なお、幼くして養子に出た子どもがいるような場合、養子に出なかった兄弟達とは疎遠となっている場合が多く、遺産分割をスムーズに進めるためには注意が必要です。

②特別養子縁組の場合:特別養子縁組をすると、実親と特別養子に出した子どもとの親子関係は終了します。すなわち、法律上は他人同然となりますので、互いに相続人になることはありません。そして特別養子縁組によって親子になった者同士が互いに相続人になります。

Q19 前夫との間にできた子ども(甲男)を連れて(連れ子)再婚し、その再婚相手との間に子ども(乙男)がいます。先日、再婚した夫が亡くなったのですが、この場合、甲男は相続人になれないのですか?

A19:子どもを連れて再婚したとき、その子と養父の関係は血のつながりがないので、その子は相続人にはなれません。

よって、この場合、妻と乙男が相続人となるだけで、甲男は相続人になれません。

もっとも、再婚相手と甲男との間で養子縁組の手続きをしておけば相続権を得ることができます。
子連れで再婚する夫婦では、血縁関係のない子どもを養子にしておくことが、将来に問題を残さないための方法ともいえます。

Q20 子どもがお腹にいるときに、父親が死亡してしまいました。お腹にいる子ども(胎児)は父親の遺産を相続できますか?

A20:できます。
本来民法は、人が生まれてから死ぬまでのあいだに限って財産上の権利・義務の帰属主体となることを認めています。

しかし、相続については、例外的に胎児にも、生まれてくることを条件として権利能力は認められていますので、お腹にいる子どもも父親の財産を相続することができます。

しかし、胎児は遺産分割協議に参加できませんので、代理人が遺産分割協議をする必要があります。

本来子どもの代理人は親権を行う父と母ですが、今回のケースで母と胎児は、Q16と同様、互いに利益が相反する立場にあるので、家庭裁判所で特別代理人を選任してもらう必要があります。

Q21 パートナーとは長年にわたり夫婦同然の暮らしをしていましたが、婚姻届は提出していない、いわゆる内縁関係でした。先日、パートナーが亡くなりましたが、内縁の妻であっても相続人となれますか?

A21:原則なれません。
民法が法定相続人として定めている配偶者とは、役所に婚姻届を提出している配偶者(戸籍上、夫または妻と記載される者)を指しています。

よって、いくら長年にわたり夫婦同然の暮らしをしていたとしても、婚姻届を提出していなければ相続人とは認められません。 
もっとも、例外的に内縁の妻が被相続人の死後、その遺産を取得できる場合があります。

まず1つめは、被相続人が生前、内縁の妻に自分の財産を遺贈によって遺産を相続させることができます(遺贈とは、遺言によってする贈与です。)。

しかし注意しなければいけないのは、被相続人がたとえ全財産を内縁の妻に残すという遺言をしていたとしても、その遺言が遺留分を侵害するときは、遺留分を侵害しない範囲内でしか、内縁の妻は相続することができないということです。→遺留分についての詳細は「遺留分」をご参照下さい。

もう1つは、被相続人には身寄りがなく相続人がいないような場合、内縁の妻は特別縁故者として相続することが認められるケースです。

Q22 下図のように、子どもが長男、次男、長女の3人いたのですが、長男(既婚で子どもが2人います。)は既に死亡しています。そして、先日、夫が3000万円の遺産を残して亡くなったのですが、この場合の相続人と、それぞれの相続分はどうなるのでしょうか?


A22:このケースで相続人となるのは、妻、次男、長女であることは問題ないでしょう。
では、被相続人よりも先に死亡している長男の扱いはどうなるでしょうか?結論から言えば、この場合は長男の子ども(孫1、孫2)が代襲相続します。

代襲相続とは死亡した者の法定相続人となるはずであった子または兄弟姉妹が、被相続人より先または同時に死亡したり、相続欠格や推定相続人の廃除によって相続権を失ったときに、その者の子が代わりに相続人となることをいいます。この場合で、代襲相続される者を被代襲者、代襲相続する者を代襲者といいます。また、相続放棄の場合は、代襲原因とはなりませんので、上記の事例で、「長男」が、死亡したのではなく「夫」の相続開始後に相続放棄をしたとしても、「孫1」、「孫2」が「長男」を代襲相続することはありません。

代襲相続は、被代襲者が本来相続すべき財産を被相続人に代わって相続するものですので、代襲相続人の相続分は被代襲者の相続分と同じです。もし、代襲相続人が複数いる場合には、被代襲者の相続分を代襲相続人の頭数で均等割りしたものが代襲相続人の相続分となります。
代襲相続で注意すべきなのは、代襲相続できる者は被相続人の直系卑属(兄弟姉妹の場合は傍系卑属)に限られるということです。例えば、養子縁組後に生まれた養子の子は代襲相続できますが、養子の養子縁組前の子(養子の連れ子)は、被相続人の直系卑属ではありませんから、代襲相続できません。また、配偶者にも代襲相続権が認められていませんので、子がいない妻の場合、夫が義父より先に死亡していると、義父の遺産は全く相続できないことになります

以上より、今回のケースでは、相続人となる者とその相続分は、妻1(1/2):1,500万円、次男(1/6):500万円、長女(1/6):500万円、孫1(1/12):250万円、孫2(1/12):250万円となります。
 
なお、上記Q22のケースで「夫」が死亡してから、「夫」の相続の処理をする前に長男が死亡した場合には、「夫」の遺産についての相続人は、妻1(1/2):1,500万円、次男(1/6):500万円、長女(1/6):500万円、妻2(1/12):250万円、孫1(1/24):125万円、孫2(1/24):125万円となります(妻2が相続人とはならない上記Q22のケースと比べて下さい。)。このケースの孫1、孫2の相続は代襲相続とはいいません。

※このように、相続に関係する者の死亡時期が前後することで、相続人や相続割合が変わってきますので、相続人や相続分を確定するには十分な注意が必要です。

Q23 上記Q22のケース「夫」が死亡した時点で、「長男」及び「孫1」も既に死亡していた場合(「孫1」には子ども「ひ孫1」、「ひ孫2」がいるものとします。)には、相続関係はどうなるのでしょうか?

A23:「孫1」を「ひ孫1」及び「ひ孫2」が再代襲相続します。すなわち、今回のケースでは、「夫」の遺産についての相続人とその相続分は、妻1(1/2):1,500万円、次男(1/6):500万円、長女(1/6):500万円、妻2(1/12):250万円、孫2(1/24):125万円、ひ孫1(1/48):62万5千円、ひ孫2(1/48):62万5千円となります。

再代襲相続とは、代襲者が被相続人より先または同時に死亡した場合や、相続欠格または廃除されて代襲相続でき亡くなった場合に、代襲者の子が代わって遺産相続することをいいます。この再代襲相続は相続人が子の場合は再、再、再と何代でも代襲できます。

しかし、相続人が兄弟姉妹の場合は1代しか(相続人の甥、姪まで)代襲できません。すなわち、被相続人に子どもがなく、直系の尊属も既に死亡していて、相続人が兄弟姉妹になる場合で、その兄弟姉妹のうちで死亡している者がいる場合、その死亡した兄弟姉妹の子どもには代襲相続が発生しますが、甥と姪の子どもには再代襲は認められていません。
Q24 夫が3000万円の借金を残して亡くなりましたが、受取人を妻である私とした2000万円の生命保険に入っていました。2000万円の生命保険金を受取っても、3000万円の借金を相続すると不足分の1000万円について弁済するだけの資力はありません。そこで、相続放棄をしたいのですが、生命保険金を受取ると相続放棄できなくなるのですか?

A24:この場合、生命保険を受取っても相続放棄できます。
生命保険契約において、被相続人以外の人が受取人として指定されていた場合は、保険金を受け取る権利(生命保険金請求権)は、当初から保険契約に基づいて定められているものであり、相続によって発生した権利ではない以上(被相続人の)、その受取人の固有の権利ということになり、相続放棄をした相続人も保険金を請求できます(下記の事例⑤と比較して下さい。)。

生命保険金請求権が相続財産に含まれるかどうかは、誰が受取人となっているのかによって結論が異なるので、以下に整理しておきます。

①特定の相続人が受取人に指定されている場合(Q24のケースです)
上述したとおり、この場合は、生命保険契約の効果として受取人が保険金請求権を取得しますので、これは被相続人の相続財産には含まれず、相続放棄をした相続人でもこの保険金請求権を取得します。

②受取人が単に「相続人」と指定されている場合
次に受取人を相続人とだけ書いて指定した場合は保険契約の効果として、被保険者死亡時の相続人が保険金請求権を取得しますので、この場合も、保険金請求権は相続財産には含まれません。よって、相続人は相続放棄して生命保険金だけ受け取ることが出来ます。 
  なお、各相続人が取得する保険金の割合は、法定相続分によるのではなく、相続人の頭数で割った均等割合となることに注意が必要です。

③受取人の指定がない場合
  受取人欄に受取人を指定しておかなくても、通常は保険約款に相続人が受取人になるとの条項があるため、上記と同様、各相続人が均等割合で固有財産として生命保険金を受け取ることが出来ます。

④配偶者を受取人としていたところ、その配偶者が被保険者よりも先に亡くなったが、その後受取人の変更手続きをしていなかった場合(例えば、Q24のケースで、受取人の妻が被保険者の夫よりも先に死亡し、受取人の変更手続きをしないうちに、夫が死亡したようなケースです。)
この場合、亡くなった受取人の相続人と被保険者の相続人とが受取人となり、上記と同様、各相続人が均等割合で固有財産として生命保険金を受け取ることが出来ます。

なお、このケースでは被保険者の相続人も受取人となることに注意が必要です。

⑤受取人が被相続人自身と指定されていた場合(上記Q24で、被保険者が夫で、受取人も夫と指定したいたようなケースです。)

この場合、受取人が被相続人と指定されている以上、生命保険金請求権は被相続人の権利であり、被相続人の相続財産を構成します。よって、この生命保険金を受け取ると相続放棄は出来なくなりますし、相続放棄をすれば、生命保険金を受け取ることができなくなります。

Q25 父が、長男の私を受取人とする生命保険に入っていたため、父が死亡して生命保険を受取ったのですが、父の預金を遺産分割する際に、次男から「兄貴は既に生命保険を受取っているのだから、それは特別受益にあたり、預金については兄貴の相続分を減らす」と言われました。生命保険金は特別受益にあたり、遺産分割の際のそれを加えて遺産を計算しなければならないのでしょうか?

A25:原則として、生命保険金は特別受益にはあたりません。
民法には、相続人間の公平を図るために特別受益という制度があります。この特別受益とは、被相続人から生前に、他の相続人よりも多くの金銭等をもらい受けていた相続人は、特別受益者として、相続の際には他の相続人よりも相続分を減らそうというものです。

では、多額の生命保険金を受取った相続人は、特別受益者にあたるのでしょうか?

判例は、原則として生命保険金は特別受益にあたらないとしました(最高裁平16.10.29決定)。よって、生命保険金を受け取った相続人は、保険金は保険金として受け取り、相続財産は相続財産として、保険金を受け取ったことを考慮されることなく遺産分割に参加できます。

ただし、上記判例は、保険金の額,この額の遺産の総額に対する比率,保険金受取人である相続人及び他の共同相続人と被相続人との関係,各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して、他の共同相続人との間に生ずる不公平が到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、特別受益に該当する、と判例は続いていますので、注意してください。

Q26 亡くなった夫が遺言書を残していましたが、その内容は、相続人でもない第三者へ遺産の全てを遺贈するというものでした。相続人は妻である私と子ども1人ですが、この場合、私たちはこの遺言の内容どおり、一切相続できないのでしょうか?

A26:一定限度で相続できます。
兄弟姉妹以外の法定相続人には、遺留分という被相続人が遺言によっても処分できない最低限の相続の権利があります。よって、上記の場合でも、受贈者である第三者へ遺留分減殺請求することにより一定の限度で遺産を相続できます。

 
 
 
 
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