日弁連の債務整理の報酬額上限を定めたという自主規制はデマ?
以前日弁連の自主規制についてのニュースを取り上げました。
「成功報酬は過払金が100万円以上の事件なら5%までとする。」などといったびっくりするような基準がしめされていたので、それについて批判めいた記事を書きました。
日弁連のウェブサイトをみて該当の定例記者会見の資料を見たら、どうやらデマっぽいです。
報酬額の上限やマル適マークに関する文章は何処にも載っていませんでした。
直接面談と報酬の明確化などが主な改正点となっていました。
債務整理事件処理に関する指針
(平成21年7月17日理事会議決)
改正平成22年3月18日
(目的)
第1条当連合会は、債務整理事件処理の目的が債務者の経済的更生にあることにかんがみ、債務整理事件を受任する弁護士による不適切な事件処理を防止するため、債務整理事件の受任及び処理にあたり配慮すべきと思料される事項を示すことを目的として、この指針を定める。
(定義)
第2条本指針において、「債務整理事件」とは、金融業者に対して債務を負担する者から受任する任意整理事件(過払金返還請求をする場合を含む。)、破産申立事件、民事再生申立事件、特定調停申立事件及びこれに類する事件をいう。
(配慮すべき事項)
第3条弁護士が債務整理事件の受任及び処理にあたり配慮すべきと思料される事項は、次に掲げるとおりとする。
(1) 直接かつ個別の面談の原則
債務整理事件を受任するに際しては、次に掲げる場合等特段の事情のある場合を除き、当該事件処理を受任する弁護士(以下「受任弁護士」という。)が委任者である債務者(以下「債務者」という。)と直接かつ個別に面談を行い、債務の内容、生活状況等を丹念に聴き取り、債務者の現状を十分に把握した上で事件処理についての見通し、方針等を説明し、事件処理を予定しない弁護士に債務者の依頼意思確認だけのための面談等をさせたり、同時に多数の債務者に対する説明会を行ったりしないものとすること。
ア従前から債務者と面識があり、既に信頼関係が構築されている等直接面談を行った上で受任する必要性が乏しいと認められる場合
イ直接面談を行っていない保証人(連帯保証人を含む。)からの依頼を、主たる債務者とともに受け、かつ、債権者の厳しい取立てを速やかに中止させる必要がある等直接面談を行う前に受任する必要性及び相当性が認められる場合
ウ債務者が離島等交通手段が限られる地域に居住する等の事情があり、かつ、債権者の厳しい取立てを速やかに中止させる必要がある等直接面談を行う前に受任する必要性及び相当性が認められる場合
(2) 弁護士費用の説明等
ア債務整理事件を受任するに際して弁護士の報酬及びその他の費用(以下「弁護士費用」という。)について説明するに際しては、具体例を用いる等分かりやすく説明することを心がけること。
イ弁護士費用に関する事項について委任契約書に記載するに際しては、具体的かつ分かりやすい記載となるよう心がけること。
(3) 民事法律扶助の告知
弁護士職務基本規程第33条においては、法律扶助制度を説明するよう努めることとされているが、債務整理事件では委任者が法律扶助基準に該当する場合が多いので、できる限り、民事法律扶助制度の存在、委任者がその基準に該当するか否かの見通し、該当する場合の弁護士費用に関する負担その他必要な事項について説明し、債務者の権利の保護が図られるようにすること。
(4) 依頼の趣旨の尊重
ア債務整理事件を受任するに際しては、「家を残したい」「民事法律扶助制度を利用したい」等の債務者の意向を十分に考慮するものとすること。
イ債務者の意向に添う処理が困難な場合には、債務者の理解を得られるよう丁寧に説明を行うものとすること。
ウ丁寧に説明を行っても債務者の理解が得られず、債務者の意向に添った処理を行う場合には、そのような情況をふまえて、第6号に規定する「リスクの告知」を行うものとすること。
(5) 過払金返還請求事件を受任する際の原則
ア弁護士は過払金返還請求事件を受任するに際しては、債務者の他の債務の存否を正確に聴取すること。
イ債務者が他に債務を有していることを認識しながら、合理的理由なく、当該他の債務の整理を行わず、過払金返還請求事件のみを受任する等の処理を行わないものとすること。
(6) リスクの告知
債務整理事件を受任するに際しては、債務者に対し、選択した手続及び処理方法並びにそれらに関して予測される次に掲げる事項その他の不利益を、受任弁護士自ら十分説明すること。
ア破産を選択した場合に法律等に定められた資格制限があること。
イ信用情報機関に事故登録される可能性があること。
ウ不動産の所有権を失う可能性があること。
(7) 報告
ア破産手続開始決定申立事件、民事再生手続開始決定申立事件等においては、速やかに、裁判所から送達された決定書等の原本又は写しを債務者に交付するものとすること。
イ任意整理事件(過払金請求事件を含む。)においては、取引履歴の開示、和解成立等の報告を行う等事件処理の進行状況に関し、受任弁護士自ら適宜報告を行うものとし、特に、過払金の返還を受けた場合は、債務者に速やかに報告し、清算方法を協議するものとすること。
(8) 債務整理事件取扱いの広告
ア弁護士費用を表示しない広告により、債務者との間でトラブルが発生している状況に鑑み、債務整理事件に関して広告をするに際しては、弁護士費用について表示するよう心がけること。
イ債務整理事件を取り扱う旨の広告に関し、専ら過払金の回収を行う旨の広告を行い、その結果として、前各号に掲げる事項を配慮しない、又は第1条に規定する債務整理事件処理の目的である債務者の経済的更生に適わない事件処理を行い、又はそのような結果を惹起することがないよう、十分注意すること。
ウ債務整理事件を取り扱う旨の広告を行う場合は、その広告の中に、依頼を受けるに際して受任弁護士による直接かつ個別の面談が必要となる旨の表示を行うよう努めること。
附則
この指針は、平成21年7月17日から施行する。
附則
第3条の改正規定は、平成22年3月18日から施行する。
引用元:日弁連 定例記者会見(2010年3月24日)
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2010年03月29日 コメント&トラックバック(0) | トラックバックURL |
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